相続人が全くいない場合の財産の行方や取扱い

2013.12.29 |

吉岡です。こんにちは。

 

相続は,死亡によって開始する。

 

五七五の音韻ですが民法八八二条です。文字通り,人が亡くなった場合に相続が発生します。

では,相続が発生したものの,相続人が実際に全くいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合どうなるのでしょうか。実はこの場合,残った財産は最終的に国家に帰属してしまいます。

 

お亡くなりになった方の相続人ではないけど生計を同じくしていた方(例えば内縁の方),療養など身の回りのお世話をされていた方などは,お亡くなりになった方との関係でいえば,相続人とほとんど変わらないか或いは相続人よりもかえって深い人間関係があった方も多くおられるわけで,その方々からすれば,相続人でないというだけで,一銭ももらえないというのは随分乱暴なようにも思えます。また,逆に,亡くなった方にお金を貸していた人などは相続人が全くいなくなると困ってしまいます。

 

そこで,このような場合,家庭裁判所への手続き(相続財産管理人選任申立や特別縁故者としての財産分与の請求)を行うことで,特別縁故者として亡くなった方の財産の全部又は一部を譲り受けることができることがあります(家裁の判断によりますので必ず財産が分与されるわけではありません。)。お金を貸した方については,相続財産管理人から支払いを受ける手続きをとることになります。

但し,相続財産管理人選任から相続人捜索などを経て特別縁故者への財産分与に至るまでは約2年ほどかかることが多く,直ぐに解決するものではありません。

(特別縁故者に対する相続財産分与審判例)

 

また,特別縁故者への財産分与は相続人がいないことが大前提です。ですので,いくら亡くなった方との人間関係が濃くても,相続人がいれば全てその相続人に相続財産が移ります。例えば,亡くなった方に数十年前に離婚した配偶者の子がおられた場合でもその方が全て相続してしまいます。

 

このように場合に備えるためには,生前に遺言を作ってもらっておくことが効果的です。

というよりは,内縁の方や身の回りの世話をされている方で,「私が死んだらあなたに全部あげる」といわれているような場合,実際に遺言を作ってもらうことを検討する必要があります。「遺言作って」とはなかなか言いにくいものですが,遺言がないと,先のように相続財産管理人選任申立+特別縁故者財産分与申立というかなり長期間かかる手続きによらなければいけなくなります。また先に述べましたように,この手続きによって必ず財産が分与されるわけでもありません。

 

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